大ニュースが入ってきました。
イギリスの権威あるビジネス誌「エコノミスト」が発表した「世界で最も住みやすい都市」の第一位に、なんとニュージーランドのオークランドが選ばれたのです!
都市的と田舎の両方を併せ持つハイブリッドシティ、オークランド。
留学やワーホリの人気も、さらに高まりそう!
というわけで今回は、なぜオークランドが一位に選ばれたのかについて、詳しく見ていきたいと思います。
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目次
英「エコノミスト」誌が発表
英国「エコノミスト」の調査チーム「エコノミスト・インテリジェント・ユニット(EIU)」は、2021年度の「世界で最も住みやすい都市」の第一位はニュージーランドのオークランドであると発表しました。
「エコノミスト」とは
"The Economist(エコノミスト)"は、1843年に創刊されたイギリスのビジネス誌。
▶︎The Economist [UK] May 29 - June 4 2021 (単号)
世界での発行部数は毎週約130万部(2007年時点)であり、世界で最も権威ある国際政治・経済週刊誌として確固たる地位を築いており、その半数はアメリカ・カナダで販売されています。
\調査方法は5段階/
EIUの審査基準
- 安全性:軽犯罪および凶悪犯罪の発生率、テロの脅威、武力紛争の脅威など
- ヘルスケア:利用できる医療、医療の質など
- 文化、環境:気候、汚職の度合い、検閲の度合い、楽しめるスポーツなど
- 教育:利用できる私教育、私教育の質など
- インフラ:道路網や公共交通機関の質、質の良い住宅が手に入るか、通信の質、水やエネルギーの質など
EIUは世界140の都市を対象に、生活環境の安定度やインフラ、教育、医療のしやすさなどを分析。
その中で、最も高得点をマークしたのが、オークランドだったというわけです!
2021年度「住みやすい都市」トップ10
では早速、発表されたランキングを見てみましょう。
参考までに、2019年のランキングも合わせて表示しています(2020年度は発表中止)
住みやすい都市ランキング
2021年度 | 2019年度 | |
1位 | オークランド
(ニュージーランド) |
ウィーン
(オーストリア) |
2位 | 大阪
(日本) |
メルボルン
(オーストラリア) |
3位 | アデレード
(オーストラリア) |
シドニー
(オーストラリア) |
4位 | ウェリントン
(ニュージーランド) |
大阪
(日本) |
5位 | 東京
(日本) |
カルガリー
(カナダ) |
6位 | パース
(オーストラリア) |
バンクーバー
(カナダ) |
7位 | チューリッヒ
(スイス) |
トロント
(カナダ) |
8位 | ジュネーブ
(スイス) |
東京
(日本) |
9位 | メルボルン
(オーストラリア) |
コペンハーゲン
(デンマーク) |
10位 | ブリスベン
(オーストラリア) |
アデレード
(オーストラリア) |
とその前に...
大阪が2位というのにもびっくり!
東京も5位にランクインしていますね。
英国誌の調査ということで、イギリス移民の多いニュージーランドが贔屓されたのかと思いましたが、2019年度の調査では、1都市もランクインしていません。
特に
前年度1位のウィーン(オーストリア)は12位、ハンブルグ(ドイツ)は34ランクも下げて47位など、ヨーロッパ諸国は順位を大きく下げる都市が目立ちました。
今年は特に新型コロナウイルスが結果を大きく左右。
オーストラリア・ニュージーランド・日本などの島国でパンデミックをうまく抑制できた街が評価を上げました。
ではなぜ、オークランドが1位にジャンプアップしたのでしょう。
オークランドが1位に選ばれた理由
BBCニュースによると、EIUはこう述べているそうです。
"Auckland rose to the top of the ranking owing to its successful approach in containing the Covid-19 pandemic,which allowed its society to remain open and the city to score strongly,"
オークランドがランキングのトップに上がったのは、Covid-19パンデミックの封じ込めに成功。これにより、オークランドは社会が開かれたままとなったことで、高いスコアを獲得することができました
--Auckland ranked most liveable city as pandemic shifts list (BBC)より(筆者翻訳)
ニュージーランドは世界的にも最もコロナウイルスの押さえ込みに成功した国の一つ!
やはり、そこが大きく評価されたということです。
オークランドが住みやすい理由
オークランドが評価された理由は「コロナウイルスの封じ込み」だけではありません!
ここからは、エコノミストが調査した「安全性」「ヘルスケア」「文化、環境」「教育」「インフラ」の5段階を軸に、オークランドがなぜ住みやすい都市なのかを考察したいと思います。
安全性:治安の良いニュージーランド
96.0/100軽犯罪および凶悪犯罪の発生率、テロの脅威、武力紛争の脅威など
96ポイントと高い評価を得た、オークランドの「安全性」
オークランドは、世界的にみてもとても安全な都市です。
テロのターゲットにされるのが少ないことや、銃が禁止されていることも理由の一つです。
2019年にクライストチャーチのモスクで銃乱射事件が起きましたが、その後、銃の取り締まりがさらに厳しくなっています。
ちなみに、オークランドで一番身近な犯罪は、車上荒らし。
凶悪事件はあまり聞きませんが、窃盗などは多いようです。
特に、サウスオークランドには治安の悪い地域もあるので、お気をつけください。
ちなみに
このような話をすると「日本に比べると治安が悪い!」と言われることがありますが、日本を治安の世界の基準にすること自体がナンセンス。
スマホや財布を落としても戻ってくる、席を確保するためにカバンを置いてその場を離れるのは、世界中探しても日本くらい。
コラム
ヨーロッパや北米圏ではアジア人へのヘイトクライムも話題になっていますが、その点オークランドは、早くにコロナを制圧したことで、人々のストレスをぶつけられにくいのではと考察します。
ちなみに筆者は、オークランドで差別にあったことは1度もありません。
ヘルスケア:旅行者も医療費が無料
95.8/100利用できる医療、医療の質など
こちらも高い評価を受けた、オークランドのヘルスケア。
怪我などの医療費が無料なこと。
そして、観光客が怪我した場合も無料なことが理由に挙げられるようです。
(厳密に言えば有料なこともありますがここでは割愛します)
ただ、ニュージーランドの場合は日本と医療システムが違い、直接専門医に行くことができず、どんな病気でも"GP(General Practitioner)"に行かないといけないのが少し厄介。
例えば
日本では、蕁麻疹が出た場合は直接皮膚科に行くことができますが、ニュージーランドの場合はまずGPに行き、そこで蕁麻疹と診断された場合のみ、皮膚科に行くことができます(ちなみにGPは有料)
日本だとその日のうちに手に入る薬が、ニュージーランドだとGPの予約が3日後、その後の皮膚科が1週間後,,,というように、かなり時間がかかることが多いです。
アメリカのように高額な医療費を請求されることを考えると、ニュージーランドのシステムは世界的にとても優れていると評価されたようです。
文化、環境:四季もあり!1年中過ごしやすい
97.9/100気候、汚職の度合い、検閲の度合い、楽しめるスポーツなど
ニュージーランドは日本と同じく四季がありますが、夏は暑すぎず、冬は寒すぎず、とても気候が良いです。
特に、北島オークランドは気候が比較的温暖で、冬に雪が降ることもありません。
(ニュージーランドは南半球なので、北に行くほど暖かくなります)
オーストラリアとよく比較されますが、ニュージーランドは水が多く、雨もよく降り、乾燥が少ないです。
しかし、紫外線は日本の7倍なので、日焼け対策は必須です。
日本では日焼け止め=しみ、そばかすと言った美容対策がメインですが、ニュージーランドでは皮膚ガン対策として使用されている方が多いです。
教育:義務教育と大学1年目が無料
100/100利用できる私教育、私教育の質など
100ポイントという満点をGETした、オークランドの教育。
ニュージーランドは教育レベルが高い国として知られており、世界Top100にランクインする、ニュージーランドを代表する国立大学"University of Auckland(オークランド大学)"があることも理由の一つでしょう。
ちなみに、ニュージーランドでは公立義務教育(日本の高校に当たるカレッジまで)は全て無料。
その上、2018年より、アーダーン首相の政策により、大学1年目の授業料も無料となっています!
国内でも不満を漏らしている人も多いようです。
インフラ:水道水が飲めるNZ
92.9道路網や公共交通機関の質、質の良い住宅が手に入るか、通信の質、水やエネルギーの質など
世界的に見ても、水道水が飲める国はたった15カ国。
そのうちの1つがニュージーランドなんです。
しかし、5項目の中で、一番ポイントが低かったインフラ。
実はオークランドでは、中国系移民による住宅の買い占めにより、住宅価格が高騰していることが社会問題となっており、そこが評価を下げてしまったのかもしれません。
その上、公共交通機関はバスがメイン。
オークランドシティの通勤通学時は、慢性的な渋滞が発生し、排ガスによる汚染も問題となっています。
しかし!なんと2024年にニュージーランド国内初の地下鉄が市内中心部に開業予定!
現在急ピッチで建設が行われています。
土地の価値も変動が見込まれ、ポイントも上がるのではと筆者は推測します。
ニュージーランド国内初の地下鉄事業についてはこちらにまとめたので、合わせて読んでみてください!
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最後に|YouTubeはこちら
オークランドシティの風景(筆者撮影)
国民の環境意識がとても高く、エコ・エシカル・サスティナブル先進国のニュージーランド。
中でもオークランドは都会と自然の両方が楽しめる、まさにパーフェクトな街。
コロナ後は、自然回帰した観光地に人気が高まると言われており、その条件にもぴったり!
皆さんの次の旅行のデスティネーション、または留学やワーホリ先の候補に、ぜひ検討してみては?
\YouTubeはこちら/
オークランド市内中心部の様子はYouTubeで撮影も行いました!
こちらも合わせてご覧ください。
【動画】▶︎【ニュージーランド】オークランドのシティ(CBD)を車窓から撮影
--- Source:Auckland tops the Global Liveability Ranking(The economist)
---引用:Auckland ranked most liveable city as pandemic shifts list(BBC)