歴史的な円安で日本円の価値がぐんぐん下がっていく今日この頃。
物価上昇が連日ニュースとなっていますが、ニュージーランドでは日本と比べ物にならないくらい物価の高騰が激しく、大変なことになっています。
しかし物の値段だけでなく、賃金も大きく上昇。
銀行の定期預金も高金利なのが日本と大きく違うところです。
現地在住のライターがお話しします。
記事内の為替レートは1NZドル89円(2023年11月現在)で計算しています。
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目次
ニュージーランド・ドルは歴史的高水準
写真引用:Googleファイナンス
アメリカドルが1ドル150円を超え、日本では歴史的な円安が連日騒がれていますが、実はニュージーランド・ドルも「ほぼ90円タッチ」とすごいことになっています。
どのくらいすごいのかと言うと...
過去5年のチャートで最も高い水準。
コロナ前より大きく上がっているのも特徴です。
さらに過去25年見てみると
歴史的に高水準に位置していることがわかります。
私も69円の時代を経験しており、その頃を知っている身からすると、恐ろしい上がりだと感じています。
以前は2〜3割安かったモンクレールも割高に...(筆者撮影)
以前はブランド品も為替の関係でお買い得感がありました。
2019年あたりは「グッチが世界で一番安い国」と世界を飛び回る国際線のCAさんが発信したことで有名となり、オークランドのクイーンストリートにある高級ブランド店は軒並み大行列ができていましたが、今ではガランとしています。
免税店については【ニュージーランド】免税店「Tギャラリア オークランド」で高級ブランドショッピング!に詳しく書いています。
物価高はすごいけど賃上げもしっかり
2023年11月上旬のガソリン価格(オークランドにて筆者撮影)
為替もすごいのですが物価の上昇もすごい。
すごくざっくりした言い方をすると、コロナ前と比べて、現地在住感覚で1.5倍、日本円で考えると、為替の上昇も含め約2倍という感じでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
例えば2019年に上陸したBOSSの缶コーヒー。
今ではすっかりこちらでも定番となりましたが価格は4ドル(約356円)です。
日本の商品だから高いのかと言うとそうではなく、600mlのコーラも4ドルなので、極めて普通の水準。
ざっくりと倍という事が、なんとなく実感いただけるのではないでしょうか。
「えっ...コーラが4ドル!?高すぎる!」
という声が聞こえてきそうですが、ここにはトリックが。
NZの最低時給は22.7ドル(約2022円)と、日本の約2倍。
そのため、半額の180円として考えると実際はあまり変わらなかったりするわけです。
日本は賃上げができないため、どんどん「物価の安い国」になっていきますね...
消費者としては嬉しい限りですが。
国産(NZ産)のものは基本的に安い
食料自給率は300%を超えるNZ(筆者撮影)
けれど、全てが高いわけではありません。
例えば、とある日のスーパーでは、アボカドがセールで1つ59セント(約50円)
通常でも1〜2ドル(季節による)なので、日本よりもお得です。
ラム肉は360gで6.5ドル(580円)
国民よりも羊の数の方が多いこともあり、安価で販売されています。
こちらではラム=安い感覚なので驚きました。
とある日のランチ。仕事の片手間に食べる量ではない...(笑)
グラスフェッドのステーキ肉はサーロイン400gで12ドル(1070円)と激安!
お肉が大好きなのでパラダイスです。
しかし悩ましいのが卵。
なんと12個入りで12ドル!(1070円)と高級食材と化しています。
これには理由があり、ニュージーランドではアニマルウルフェアの観点から鳥をケージで飼育されておらず、基本的にフリーレンジとなっています。
そのため、飼育に時間と費用がかかり、価格の高騰につながっていると言うわけです。
フリーレンジエッグについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
住宅ローンの金利もすごい!
ASB銀行の住宅ローン表(2023年10月筆者撮影)
さて、物価もすごければ金利もすごい。
なんと住宅ローンの金利は7%!
もはや恐ろしい...
そもそもオークランドでは住宅価格が高騰しており、庭付きの戸建なんて買えたものではありません。
その上、急激な人口増加に住宅の供給が間に合っておらず、住む家を見つけることさえ難しい状態です。
ニュージーランドの家賃と住宅事情
高層ビルはオークランドでも一部地域のみ(筆者撮影)
住宅事情は日本と全く異なっており、例えば日本の場合は都心だとマンションに住むのも一般的です。
しかしNZは土地面積に対して人口が少ない(日本の1/4の面積に500万しかいない)ため、土地自体は余っていることもあり、マンションが多くありません。
そもそもキウイたちはマンションに対して、買って住む「終の住処」の意識がなく、あくまで戸建てを買うまでの仮住まいの感覚。
そのためディベロッパーも宅地開発が基本。マンション開発に積極的ではありません。
先日お仕事で訪れたお部屋。ワンルーム(キッチン共用)で月16万円...
そうなると困るのが一人暮らし。
ワンルームアパート(日本でいうマンション)はオークランドでもシティにちょこっとあるくらいで、主に大学近くのエリアに集中。
シャワーとトイレは専用ですが、キッチンが共用というタイプも多く、それでも1ヶ月1800ドル(約16万円)
例のごとく、時給が倍なので半額の8万円で考えたとしても割高です...
主に、日本人オーナーが所有する家に数人でルームシェアが基本のようです。
預けるだけでお金が増える!定期預金は驚愕の6%!
ASB銀行の定期預金表(2023年10月筆者撮影)
その代わり定期預金の金利もすごい。
なんと1年間「預けるだけ」で6%!
100万円を1年置いておくだけで6万円(税引き前)増える計算です。
日本だと大手銀行で0.002%とかなので、その差は歴然。
日本株の配当でさえ4%で高配当と言われているのに、何かの詐欺かと疑ってしまいそうです..
お金持ちであれば銀行にお金を預けているだけで暮らしていけちゃいます。
銀行については次の記事でも色々お話したいと思います。
PRではなく本当に便利すぎて愛用してます
ここまで為替がすごいので「海外送金はどうしてますか?」という質問がよく来るのですが、私はWiseというサービスを使っています。
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NZに銀行口座がなくてもWise内に口座を開設してデビッドカードを作ることができ、世界中の通貨に変えてキャッシングもすることができるので、旅行時でもめちゃくちゃ便利です。
以前記事にもしているので、興味のあるかたはこちらからご覧ください。