前回の記事【海外就職のリアル】ニュージーランドの仕事探しは○○が必須!現地就活やインターン事情は?では、ニュージーランド人の就職事情について書き綴りました。
今回は、日本人をはじめとする外国人のニュージーランドでの就職事情について。
現地でのフルタイム(日本でいういわゆる正社員)を目指す方向けにNZ就活のリアルな現状や、ワーキングホリデービザを使っての職探しなども合わせてお話しします。
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【海外就職のリアル】ニュージーランドの仕事探しは○○が必須!現地就活やインターン事情は?
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ニュージーランドでは専門資格者以外のビザ取得アドバイスは違法となっています。
この記事ではあくまで筆者の経験・見解であり、法的助言の目的はありません。
目次
外国人はさらに厳しいNZでの就職
前回の記事でお伝えした通り、キウイ(ニュージーランド人)でさえ就職が難しいのですから、外国人にとってハードルが高いのがニュージーランドでの職探しの現状。
そもそも、外国人がニュージーランドで働くには就労可能なビザが必要。
企業がビザのサポートを行うこともありますが、申請には様々な書類が必要となります。
「就労ビザ」といっても様々な種類があります。
その条件は変化が激しく、先月と今月で条件がガラッと変わるほど。しかも移民局に問い合わせると担当者によって言ってる事が違ったり...(これが本当に困ります...)
雇用主は外国人に就労ビザを簡単に出せない
前提として、ニュージーランドの企業は自国民の雇用が優先なので、そう簡単に外国人労働者に就労ビザを出すことができません。
ニュージーランド移民局のビザサポートのトップページにもはっきりと明記されています。
You can only hire migrants if you have not been able to find New Zealanders to do the work.
(ニュージーランド人の雇用ができなかった場合のみ、移民を雇うことができます)
--ニュージーランド移民局 Support a worker's visa application より引用(筆者翻訳)
そのため、理由が充分でないと雇用者側の責任問題になるため慎重になっており、企業によほどのメリットのある人材でなければスムーズには運ばないのが現実。
移民の国なので簡単に就労ビザが取れそうなイメージがありますが、実はそうではないのが現実です。
以前は比較的簡単に取れた就労ビザ
実は、以前のニュージーランドは比較的簡単に就労ビザが取れた時代もありました。
しかし移住者が増えすぎたため、政府がビザの条件を厳格化。
外国人の就職がますます狭き門となっています。
[シドニー 7日 ロイター] - ニュージーランドは7日、就労ビザプログラムを即時変更する方針を明らかにした。昨年の移民数が過去最高に迫り、「持続不可能」な状況になるためと説明した。
変更点には熟練度の低い職種に英語能力を必須とすることや、大半の就労ビザの発給条件として最低限の技術と経験を指定することなどが含まれる。
また、大半の低熟練就労者に対する滞在継続許可の上限を5年から3年に短縮するという。
スタンフォード移民相は声明で、「中等学校の教員など、技術不足が見られる部門に高い技術を持つ人材を確保・維持することに注力している。同時に、技術不足が見られない部門では国民が雇用の最前線に置かれることを確実にする必要がある」と述べた。
ニュージーランドに昨年到着した移民は過去最高に近い17万3000人だった。
同国では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)収束後に移民が急増。これがインフレ加速につながっているとの懸念が浮上した。
ただし、ニュージーランドに利益ももたらしてくれる移住者に対してはビザ審査が甘いのも事実。
「利益」とは、ニュージーランドの雇用を促進したり、税金を多く収めてくれたり、高度な知識や技術を提供すること。
そのため、高度技術者・技能者にはビザ審査が甘く、また投資家ビザの取得条件も他の国に比べてゆるめだったりもします。
本気度が違う移住者たち
このような状況なので、ニュージーランドへの移住希望者は「なんとなく海外で働きたい・暮らしたい」ではなく、ニュージーランドという国に対し、明確な理由を持ち人生をかけて挑戦している人が多いです。
特に、近年増加している、中国系やインド系、南アメリカからの移住者たちに多く見られ、就労ビザを足がかりに永住権を目的にしているため、自国で家を売り払い、家族総出で移住してきたりと本気度に圧倒されます。
また、自国コミュニティでの助け合いや絆が強く、先に移住し成功した人が起業や会社を起こし、自国民を積極的に雇い応援するパターンも。
意外と保守的なニュージーランド人
移民国家で多様性を尊重しているNZではありますが、キウイ(NZ人)は意外と保守的。
旅行者や短期滞在者には優しいのですが...住んでみると地元の人以外には線を引いてるなと感じることも、本音を言うとしばしば。
こういう所は、同じ島国である日本と似ています。
国民もローカルビジネスを応援する傾向にあるため、海外のチェーン店があまり進出しません。また地産地消を強く意識しており「Made in NZ」の物を積極的に手に取るのも特徴です。
また、北島(オークランドやウェリントン)と南島(クライストチャーチやクイーンズタウン)では別の国かと思うほど考え方や暮らしぶりが違います。
南島は北島ほど人口が多くないこともあり、中小企業やブルーカラー、エッセンシャルワーク、観光業が中心。
ホワイトカラーの多い都会的なライフスタイルを送るオークランド人へのやっかみを込めた、Jafa(ジャファ)というスラングもあるほど。
Jafa is a slang term (sometimes pejorative)for a resident of Auckland, New Zealand. It is an acronym standing for Just Another Fucking Aucklander.
(Jafaとはオークランドに住んでいる者に対するやっかみを表すスラングで、Just Another Fucking Aucklander の頭文字を取ったものです)
南島はニュージーランドらしい大自然が多く残る素敵な場所でもありますが、外国人が現地就職を狙うのであれば、保守的な人が多い南島より北島の方が(人口的にも)チャンスが多いと言えます。
しかし、南島では観光業や建築関係を中心に人手不足が深刻なので、職種によっては就職のしやすさがあるかもしれません。
近年ディプレッション(景気不況)入りしたニュージーランドでは、シティ中心部ではあちこちで「For lease(貸店舗)」の文字が目立つように。
個人経営はますます苦しくなり、金銭的に体力のある国外企業が参入しているため、その現地採用も外国人にとっては狙いやすさがあると言えます。
「信用照会」がネックになることも
日本では聞いた事がありませんが、欧米圏では転職の際に「信用照会」が行われることが一般的です。
これは、応募者が前に勤めていた会社に連絡をし、働きぶりはどうだったか、辞めた理由はなんだったのか、履歴書の内容は間違っていないかなどの確認を行うことで、ニュージーランドはその保守的な国民性もあり、ほとんどの会社が行なっているようです。
国外からの応募者はこの信用照会ができないことが就職の大きなネックになることも。
その場合は、信用を得るためにインターンシップを行うのも手。
ニュージーランド人も多く使用している就活の手段です。
日本でのインターンシップは無給でボランティアのイメージがありますが、こちらでは企業側と雇用者側がwin-winの関係で、就職希望者への就職支援の意味合いも強く、基本的に有給です。
そのため職種によっては必要最低限の知識や技術が必要となります。
ワーホリからの就職はコミュニティ所属と努力が鍵
ワーキングホリデーは1年間自由に仕事をすることがきる自由度が高いビザのため、対象年齢であればうまく活用することで、現地就職の足がかりにもなりそうです。
しかし、1年は意外とあっという間。
渡航後にどう時間を使うかの計画をしっかり立てる必要があり、1年間でうまくコネクションを作れるかが成功の鍵と言えます。
また生活費は日本円換算だと日本の2倍なため、豊富な資金力も必要です。
現地で生活費を稼ぐ必要があるのなら、日本食レストランなど日本人が経営しているお店の募集はシティを中心に多くあります。
しかし、現地就職を目指すのであれば、なるべく自分の希望する職種へとつながるコミュニティに属することが成功への近道と言えます。
筆者の知人実例を挙げてみましょう。
彼は自国(ヨーロッパ)で設計士として働いており、ワーキングホリデービザにて渡航。
オークランドの設計会社に「もし気に入ったら就労ビザをサポートしてほしい」と自分を売り込み、1年間無給でインターンを行います。
生活費は夜にレストランでアルバイトをして生計を立て、ルームシェアで生活。
1年後の就労ビザの保証もなく心折れそうになりながら休みなく働いたところ、その努力が認められ、今ではその会社に就職しています。
彼の場合は運に加えて、高度な実力と即戦力であったことが、大きな成功の鍵と言えるでしょう。
人脈を得るために、最初の数ヶ月だけ語学学校に通うのもオススメです。
コミュニティに属することで様々な生活情報を手にすることができますし、実際にクローズドの求人情報があったり、就労ビザの情報なども多く飛び交います。
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ニュージーランドの就職事情(外国人編)でしたがいかがでしたでしょうか?
茨の道なのは事実。けれど裏を返せば専門的な知識や能力があり、なおかつ現地でのコネクション(と運)があれば、比較的スムーズに事は運びます。
また、一度軌道にのると一気にイージーモードになり、突き抜ける人はどんどん突き抜けていくのが日本との違いでしょうか。
積極的に人と知り合うことこそが、ニュージーランドでの就職の成功への鍵となりそうです。
最後に、ニュージーランドでの職探しで現地で活用されている方法をまとめました。
フェイスブック
日本ではあまり使われていませんが、ニュージーランドのSNSはフェイスブックが一般的。
様々なコミュニティページもあり、仕事情報も多く掲載されています。
また、通信アプリにLINEを使っている人はおらず、フェイスブックのメッセンジャーが一般的なので、渡航前にアカウントを作成しておくといかもしれません。
就職掲示板
ローカル向けの求人情報であればSeekが有名です。
フルタイム(正社員)から、カジュアル(アルバイト)まであらゆる職種を探すことができます。
▶︎seek.com
Trade meはNZ最大のクラシファイド掲示板。
仕事のみならず、賃貸アパートやフラットシェア、売ります・買いますなど様々な情報が掲載されています。
▶︎trade me
インターンシップ
NZの現地コネクションがない方は、インターンシップ斡旋会社を利用するのも手です。
Gina & PartnersはNZ現地各地に支店を持つ日本人向けのエージェントで、できる限り相談者の希望に沿ってインターン先を探してくれます。
サポートは全て日本語で行われるのも大きなメリットです。
▶︎Gina & Partners:インターンシップ(日本語ページ)
※「ニュージーランドのまるごとを見た」と本文に明記いただくとスムーズです。
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